トップに戻る

フリーワードから探す

製品情報から探す

目的から探す

限定ページ

カーディナルヘルス メールマガジン コラム【第6回】
高度急性期病院における特定看護師のPICC挿入の現状とミッドラインカテーテルへの期待

著者:地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 看護部
   特定行為研修修了看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師
   松村 重光 先生

当院の2023年度の特定看護師によるPICCの挿入件数は月15~20件であり、年間196件のPICCを挿入しています。
当院の成人患者の年間PICC挿入件数は578件ありましたので、成人患者へ挿入したPICCの約32%を特定看護師が挿入している状況です。

以下に、当院の特定看護師のPICC挿入の現状をご紹介します。

PICCの挿入目的

高カロリー輸液の投与が最も多く、その他以下のような内訳となっています。

診療科別 PICC挿入件数

消化器外科が最も多く、腫瘍内科、循環器内科と続きますが、合わせて18診療科で特定看護師がPICCを挿入しています。

PICC挿入場所

PICC挿入場所は、透視室が189件、病棟が7件となっています。集中治療センター入室患者で検査室への搬送が困難な場合はポータブルのレントゲンを撮影しながら病棟で挿入しています。

PICC穿刺側/穿刺血管の選択

穿刺側は右上腕が多く、左上腕と比べ右上腕のほうが、上大静脈へアプローチしやすいため、右上腕を選択することが多いです。
穿刺血管は、尺側皮静脈のほうが上腕静脈と比べ、動脈や神経への誤穿刺の可能性が低くなるため尺側皮静脈を第一選択としています。

PICC留置困難例

PICC挿入した196件のうち、特定看護師のみで実施したものが182件、留置困難で医師へ交代したものが14件ありました。医師へ交代した理由はガイドワイヤの通過障害、位置不良が6件、カテーテルの留置困難が5件、穿刺困難が3件でした。
このうち穿刺者の変更や穿刺側の変更により9件は先端位置が上大静脈へのPICC挿入に至りました。残りの5件のうち3件は鎖骨下静脈への留置となり、2例は留置困難でCV挿入となりました。


PICCによるタスクシフトと特定看護師がPICCを挿入するメリット

タスクシフトの状況は、物品の準備や展開、患者確認からPICC挿入後の固定まで、一連の流れを30分で終了したとすると、総時間5,580分となり、時間に換算すると93時間となります。1日8時間勤務とすると年間12日間分の時間を医師はその他の診療業務に充てることができました。

安全なPICC挿入環境を整える目的で、消化器外科の医師と看護管理者、放射線技師で調整を行い、特定看護師が透視室の予約ができるようにシステムの構築を行い、透視室でPICC挿入ができるようにしました。環境が整うことで、再現性の向上、処置時間の短縮化、スムーズな物品準備、物品展開ができるようになり、患者の安全、病棟看護師の業務軽減へとつながりました。

特定看護師がPICCを挿入するメリットは、患者に対して適切な輸液管理や治療がタイムリーに開始できるようになることです。特に、普段PICC挿入を他の診療科に依頼している診療科やPICC挿入に不慣れな診療科では、PICC挿入に伴う患者負担が軽減しました。

さらに末梢ルートを何度も穿刺され苦痛が伴う処置が、PICCを挿入することで、感染が生じない限り、末梢ルート挿入の必要性がなくなり、患者の安楽や看護師の業務負担軽減につながります。末梢ルートと比較し、輸液投与中の血管外漏出の心配がなくなり、静脈炎が生じにくくなり皮膚障害の発生リスクの高い薬剤を安全に投与できるようになりました。

ミッドラインカテーテルへの期待

昨年より本邦でもMidlineカテーテルが使用開始となりました。MidlineカテーテルはPICC挿入の手技より簡便で、レントゲンでの確認が不要となっており、患者の被ばくリスク軽減につながります。末梢ルート作成困難でPICCを選択していた患者は、Midlineカテーテルの挿入で治療が開始できます。

2023年度のPICC挿入患者のうち約20%が末梢ルート作成困難患者でした。今後は、PICCとMidlineカテーテルの選択を行い、不要なPICC挿入を減少させ更なる感染の低減を行い、患者の利益を最大限確保できるようなデバイスの選択を行いたいと考えています。今まで以上に安全なPICC挿入方法の確立を行い、特定看護師によるPICC挿入患者の増加を目指していきたいです。

挿入件数が増加するとPICC感染も増加する可能性があるため、感染が起きないように、PICCの操作に不慣れな病棟への適切な管理方法の周知を行い、PICC感染の予防や計画外抜去が起きないような指導も合わせて行っていきたいと考えています。

製品に関するお問い合わせ・
ご相談は、お気軽にどうぞ。

お電話でのお問い合わせはこちら

0120-917-205

9:00-17:30

購入・見積・サンプルの

お問い合わせはこちら