Document ハンドブック・資料
近年、抗がん薬による副作用に対する治療の進歩や、患者のQOL向上を考慮し、外来がん化学療法が増加しています。外来で抗がん薬の投与を受けて帰宅する患者や、抗がん薬を持続注入しながら在宅する患者がいます。
抗がん薬投与後48時間は曝露防止策が必要ですので、患者自身および家族も曝露防止の必要性を理解する必要があります。看護師は患者や家族に恐怖感や疎外感を与えない様に、十分な配慮を持って分かり易く説明する責務があります。その為には指導指針を作成し指導することを推奨しています。指針の内容例を以下に示します。
- 抗がん薬の特徴と健康への影響
- 排泄物や汚染リネンの取り扱い方法
- 経口薬の内服方法
- こぼれた場合の方法
- 携帯型ディスポ―ザブルポンプの取り扱い方
① ~④は前稿までに記載されているので、そちらを参照して下さい。
⑤の携帯型ディスポ―ザブルポンプの取り扱い方について具体的に記載します。
大腸がんの治療に携帯型ディスポ―ザブルポンプで抗がん薬を46時間ほどかけて持続注入する方法があります。体内に埋め込まれたポートに針を刺入し、そこから薬液を注入しています。その間、患者は自宅で日常生活を送ることができます。
この治療中に針が抜けたり、薬液が漏れたりすることがあります。その場合には直ちに医療機関に連絡をし、指示に従ってもらいます。漏れた薬液は抗がん薬なので、手袋、マスク、ガウンを着用して処理をします。衣服が汚染された場合は「汚染リネンの処理時の曝露対策」 に従い、床に薬剤がこぼれた場合は「抗がん薬がこぼれた時・曝露された時の対処」 に従います。使用物品は全てビニールバックに入れて口を縛り廃棄します。
ポンプの薬液が無くなった場合に、患者自身で針を抜く場合は手袋を着用します。介助者が実施する場合は手袋、マスク、ガウン、防護めがねを着用し、ポートから針を抜きます。(針を抜くことは医療機関で実施している場合もある)廃棄物には針が付いているので、耐貫通性の蓋が出来る缶に入れて保管します。針は医療廃棄物なので、医療機関へ受診時に持参し廃棄します。その他の使用物品は全てビニール袋に入れて口を縛り廃棄します。
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