静脈栄養適用患者のTPN投与からの早期離脱は感染リスクを減少させ、医療の質を高めるといわれています。

今回、慢性期領域における栄養改善・対策として、リハビリテーション・口腔・栄養の一体的な取り組みを医療法人社団尽誠会 野村病院の先生方に紹介いただきました。

早期離脱のための嚥下リハビリテーションはそれだけでは成しえず、口腔ケア、そして栄養が重要になってきます。

そこで、摂食嚥下サポートチームとPICCチーム、病棟看護師の連係で、早期の中心静脈栄養による栄養サポート、嚥下訓練による経口摂取への移行について

PICCを軸にして医師、摂食嚥下サポートチーム、放射線技師の目線から執筆されておられます。

具体的な介入事例の紹介に加え、慢性期特有の困難症例への対策は診療看護師、特定行為の看護師の皆様方に参考になるはずです。

慢性期に限らずとも、拘縮・萎縮・円背等による困難症例を経験している方は多いのではないでしょうか？ PICCを用いた栄養サポートについて是非ご検討ください。

施設紹介

野村病院は、富山県の県庁所在地である富山市の東部に位置する県下最大の慢性期病院です。

診療科目は内科、老年内科を標榜し、医療内容は人工呼吸器、気管切開、中心静脈栄養（TPN）、悪性腫瘍およびその疼痛管理、慢性心不全や呼吸不全に対する酸素療法、褥瘡、インスリンコントロール、輸血が必要な疾患対応など多岐にわたります。
病床数は医療療養病床が 200 床あり、同一建物内に介護医療院が 100 床あります。

1967 年 10 月に開院した当院は 2023 年に開院 56 周年を迎え、中長期的に次の 50 年を見据え「地域から選ばれる病院」、「医療従事者から選ばれる病院」づくりを進めています。

PICCの診療看護師・特定看護師へのタスクシフトが新時代の慢性期医療を創り出す！

■医療構造改革の中で、慢性期領域での栄養改善・対策がとても重要になること

■静脈栄養適応患者に対するPICCによる介入取り組みに至った経緯

■医師の働き方改革が実施される中で、医師として及び最高経営責任者としてのタスクシフトへの取り組み

■慢性期領域への期待

摂食嚥下障害看護認定看護師によるPICC挿入及び中心静脈栄養管理から経口栄養へ移行するための関わり

■摂食嚥下障害看護認定看護師からみた慢性期領域患者に対する栄養アプローチ

■摂食嚥下障害看護認定看護師がPICCの管理をするメリット

■実際の介入事例

■特定行為看護師からみたPICCキットの選択

■PICCの固定方法での工夫

診療放射線技師は見た！ PICCに関わるトータルコーディネーターとして言えること

■当院におけるPICC挿入件数の推移

■医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト

■慢性期病院特有の困難症例について

• 両上肢の拘縮が強く外旋及び外転が不可能
• 円背が強い
• ガイドワイヤーが迷入し進まない（ゴールドフィンガー法）
• ガイドワイヤー、カテーテルが血管蛇行の為に力が伝わらず進まない
• 左上腕部からのアプローチ

■当院で使用しているPICCキットのメリット