Case report ケースレポート
Novellus Vol.42
大腿静脈穿刺のトラップ
大腿静脈への中心静脈カテーテル挿入は、感染および血栓の発生リスクが比較的高いものの、穿刺時の機械的合併症のリスクは比較的小さく、ブラインド穿刺(ランドマーク法)で十分で「イージー」な処置だとみなされる傾向があります。
しかし実際には、大腿動脈と大腿静脈はずっと並走しているはずだ、という思い込みによって大腿静脈に当たらず複数回の刺し直しや、穿刺が不成功となってしまうケース等も少なからずあるようです。
今回は、そのような大腿静脈穿刺におけるトラップ(罠)について、佐久医療センターの渡部先生に執筆いただきました。
解剖学的な視点から、エコー写真やイラストを用いて、大腿静脈穿刺のトラブル発生のメカニズムを分かりやすく解説いただくとともに、トラップに引っ掛からないための注意点や安全な穿刺方法について詳細に記載いただいております。
プロローグ
- FA(femoral artery; 大腿動脈)のすぐ内側をFV(femoral vein; 大腿静脈)はずっと並走している
- FAの脈拍が触知できればFV穿刺はブラインド穿刺でも容易である
- FVは深部に位置していることが多いので、穿刺針は長針を使う方がよい
- FVは深部に位置していることが多いので、ガイドワイヤやカテーテルの挿入を容易にするために、刺入角度はなるべく浅くした方がよい
- FV穿刺から重篤な合併症が発生することはない
- FV穿刺で動脈を誤穿刺しても数分圧迫すれば問題はない
FV穿刺を実施することがある方は、この項目のうち、いくつ“YES”と答えますか?もしひとつでも“YES”と思うのであれば、トラップ(罠)に引っ掛かるリスクが高い、といったらどうしますか?
これからそれを検証していきましょう。
鼡径溝(鼠径溝)より末梢方向の解剖
鼡径溝より中枢方向の解剖
安全確実なFV穿刺の手法
- 短軸像穿刺swing scan法の手順
- Quick look法の手順
mid thighアプローチについて
関連情報
-
静脈用カテーテル(CVC・PICC・Midline等)
Argyle™ Fukuroi SMAC プラス
皮膚切開が要らない中心静脈カテーテル 深度を限定できる穿刺針・ダイレータ 3cm…
-
静脈用カテーテル(CVC・PICC・Midline等)
Argyle™ Fukuroi SMAC プラス マイクロニードル タイプ
挿入に伴う機械的合併症「ゼロ」を目指した細径穿刺セルジンガータイプの中心静脈カテ…
-
マニュアル/ハンドブック
マニュアル
中心静脈カテーテル 管理マニュアル
中心静脈カテーテル(CVC)とは ・中心静脈カテーテル(CVC)・適応・穿刺部位…
-
手技動画
中心静脈カテーテルの安全な留置(0:08:05)
【目次】 0:00‐CVC留置前の準備 患者体位‐10~2…
-
Novellus-医師のベストプラクティス-
Novellus Vol.5
安全な中心静脈カテーテル穿刺・挿入のためのChecklist多くのご施設で実施されている中心静脈カテーテル(CVC)穿刺・挿入は一般的な手技…
-
Novellus-医師のベストプラクティス-
Novellus Vol.22
動画による中心静脈ライン挿入教育中心静脈カテーテル留置は、必要不可欠な手技の1つです。しかしその一方で、器械的合…
製品に関するお問い合わせ・
ご相談は、お気軽にどうぞ。
お電話でのお問い合わせはこちら
9:00-17:30
(土日祝日除く)
購入・見積・サンプルの
お問い合わせはこちら