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カーディナルヘルス メールマガジン コラム【第2回】
「看護部が運営するPICCチームの効果」~特定行為研修修了者の役割定着へのアプローチ~

著者:医療法人社団伊豆七海会 熱海所記念病院 兼 TMG本部横浜支部
   認定看護管理者/診療看護師 (NP) 三重野雅裕 先生

はじめに

看護師の特定行為に係る研修制度が施行され、医師の働き方改革が追い風となった事で特定行為研修修了者 (以下、研修修了者)を臨床で見かけることも珍しい状況ではなくなった。しかし、約3割の研修修了者が過去1年間に特定行為を実施できていないとの報告 (厚生労働省 ,2022)もあり、看護管理者の課題も研修修了者を「いかに養成するか」から「いかに活用するか」へフェーズが変化しているのではないだろうか?

そうした中、私が所属する戸田中央メディカルケアグループ (以下、TMG)の施設である戸塚共立第1病院では、看護部が運営するPICCチームの活動を基盤に研修修了者の院内での役割拡大を進めている。本コラムでは、看護部が運営するPICCチームの効果についてご紹介する。

戸塚共立第1病院看護部PICCチームについて

戸塚共立第1病院では、研修修了者の活動支援を目的として、2021年よりPICCチーム の活動を開始した。活動の詳細については以前、「Novellus Vol.38 看護師によるPICC挿入チーム設立と多職種collaborationのメリット」でご紹介させていただいたので、ご興味がある方はご参照頂ければ幸いである。

研修修了者の支援にあたり、数ある特定行為からPICCに着目した理由は、実施率の高さにある。特定行為の実施率に関する報告 (春山ら ,2019)では、実施率が40%を超えている特定行為の多くが養成課程においてOSCE試験が設けられている特定行為であった (表1)。OSCE試験は、筆記試験では評価できない技術、態度を客観的に評価する目的で実施される。すなわち、これらの特定行為においては、技術の習得的要素が強く業務委託する医師側、委託される研修修了者の双方が、活動のイメージをしやすいと考えられる。また、点滴投与に関するPICCは、領域を問わず需要の高い特定行為であるといえる。こうした特徴を踏まえ戸塚共立第1病院では、臨床での「特定行為の普及のイメージ」 (図1)の元、PICCチームを設立し現在に至っている。実際に個々の研修修了者が、PICCの経験数が増加すると共に、自身が修了しているPICC以外の特定行為を実施する事も増加しており、PICCチームの活動が研修修了者の活動の基盤となっている。

【表1】実施率が40%を超える特定行為
【図1】特定行為の普及のイメージ

診療部からの反応

看護部においてPICC挿入業務を開始した当初、依頼をする診療部からは、研修修了者の個々の技術レベルに対する不安や、「いつ勤務しているかわからない」との声が聞かれていた。実際に研修修了者の勤務表は、各病棟単位で作成されるため、PICCを挿入できる研修修了者が複数在籍しているのにも関わらず、依頼したい時には勤務していない状況も珍しくなかった。こうした勤務に関する問題については、PICCチームで研修修了者の勤務状況を把握し、活動日を調整する事で対応できている。このように研修修了者の勤務体制に介入しやすいのは看護部が運営するPICCチームの強みといえる。

また、研修修了者の技術に対する不安については、実施者のバックアップ体制 (図2)の整備により対応している。戸塚PICCチームでは、症例数に応じた階級を整備しており、プレスキャンでの静脈の評価の際に挿入が困難と判断された場合や2度の穿刺で静脈確保ができない場合に、自身よりも症例数の多い研修修了者に交代する体制としている。こうした体制により、ほぼ全ての症例でPICCチームにより対応ができており、診療部からは「点滴ルートで悩まされることなく治療に専念できるようになった」との声が聞かれている。

 【図2】バックアップ体制

おわりに

PICCチームの活動は、依頼窓口の整備等によるPICCに対する院内のニーズの掘り起こしだけでなく、バックアップ体制の整備等により、依頼をする診療部、特定行為を実施する研修修了者共に安心して活動できる仕組みといえる。現在、戸塚PICCチームでは、看護業務でのエコーの活用や時短勤務をしている看護師の新たなや役割の提供など、PICCの挿入だけでなく、看護部において新たな価値を生み出そうとしている。多くの施設でPICCチームを通じ研修修了者の活動が広がれば幸いである。

<引用文献>

  • 春山早苗 ,吉田美香子 ,真田弘美 .特定行為研修修了者の活動実態と活動に関する要因 .令和元年度厚生労働科学研究費補助金 (地域医療基盤開発推進研究事業)分担研究報告書 . https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/193011/201922018A_upload/201922018A202005311147141580005.pdf . (2024年5月7日閲覧)
  • 厚生労働省 .資料4特定行為研修制度の推進について. 令和4年8月22日第29回医道審議会保健師看護師助産師分科会看護師特定行為・研修部会資料 . https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000977761.pdf (2024年5月7日閲覧)

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