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目次
胃ろう(胃瘻)とは?PEG(ペグ)とは?
胃ろう(胃瘻)とは
胃ろう(胃瘻)とは、手術により胃と皮膚の間に作成した瘻孔のことです。
胃ろうにはカテーテルが留置され、何らかの理由で経口摂取が困難な場合に、栄養剤や薬剤を投与したり、消化管閉塞の際の減圧手段としても使用されています。
PEG(ペグ)とは
PEG(ペグ)とは、Percutaneous Endoscopic Gastrostomyの頭文字をとったもので、日本語では「経皮内視鏡的胃ろう造設術」と訳されます。もともとPEGは造設術のことを指しますが、PEGを胃ろうの意味として使われているケースもあります。
胃ろうを造るためには、内視鏡を用いて手術を行います。胃ろうの手術はわずか15~20分程度で、患者に負担の少ない手技です。
胃ろうの適応 ~“胃ろう“という選択~
胃ろうの選択は今も昔も長期の栄養管理のワールドスタンダードです
・ASPEN(米国静脈経腸栄養学会)ガイドライン(右図)でも示されている通り、長期(1か月以上)の栄養管理の第一選択は胃ろうです。
・静脈栄養に比べ感染率が低く、免疫能維持の観点からも最も生理的で、管理も容易です。
・数年前には胃ろうについて否定的な風潮もありましたが、今般再度ASPENガイドラインに立ち返り、胃ろうにして在宅に帰る選択が増えてきています。
・食道がんの患者で、食道狭窄によって経口摂取が低下または不能な方に対して、術前に胃ろうを造設することで、在宅での管理が容易で低栄養も回避され、術前の入院期間の短縮に貢献できたという事例もあります。
詳しくはこちら:Kngaroo News Vol.31 食道がん周術期における栄養療法の重要性について
・令和4年に早期栄養介入管理加算、令和6年に経腸栄養管理加算などが新設され、改めて経腸栄養が見直されています。
Pick up!!令和6年に経腸栄養管理加算が新設されました!
(新) 経腸栄養管理加算(1日につき) 300 点
→療養病棟に入院中の患者に対し、静脈経腸栄養ガイドライン等を踏まえた栄養管理に係る説明を実施した上で、新たに経腸栄養を開始した場合に、入院中1回に限り、7日を限度として算定可能な経腸栄養管理加算が新設されました。
栄養管理の選択
・栄養管理にはいくつかの選択肢がありますが、先述したように胃ろうの適応であれば第一選択は胃ろうになります。
・1か月以上の長期の栄養管理が必要で、胃ろうが選択できない場合、経腸栄養が可能であれば経鼻チューブが第二選択です。しかし、不快感や咽頭閉鎖の阻害により嚥下訓練がしにくかったり、食道入口部および噴門部の括約筋の収縮が妨げられ、胃食道逆流現象や嘔吐を生じやすくなったりといったデメリットもあると言われております。
・それらの選択ができない場合は中心静脈栄養の選択になりますが、在宅管理における問題点もあります。
・末梢静脈栄養のみでは、1日に必要な栄養量を投与することが難しい場合が多く、サルコペニアの進行からフレイルが一気に進行する可能性があると言われることもあります。
上記の詳細については、Kngaroo News Vol.34 慢性期領域における栄養戦略もぜひご覧ください。急性期期領域における患者の実際や慢性期領域における栄養管理の選択について解説されております。
胃ろうのメリットとデメリット
静脈栄養と比較したメリット・デメリット
メリット
・腸管粘膜の維持(腸管粘膜の萎縮の予防)*
・免疫能の維持、バクテリアルトランスロケーションの回避*
・代謝反応の亢進の抑制(侵襲からの早期回復) *
・胆汁うっ滞の回避*
・消化管生理機能の維持(腸蠕動運動、消化管ホルモン分泌) *
・カテーテル敗血症、気胸などのTPN時の合併症がない*
・長期管理が容易である*
・廉価である*
・施設などで受け入れてもらいやすい
*:丸山道生編著 経腸栄養バイブル 日本医事新報社;p3
デメリット
・皮膚トラブルや下痢・逆流などの合併症がある
・経口摂取の回復見込みがない場合、延命治療と捉えられる場合がある
経鼻栄養チューブと比較したメリット・デメリット
メリット
・半固形栄養剤などの粘度が高い栄養剤も投与可能
・違和感が少ない
・外見的に目立たない
・長期管理が可能
デメリット
・造設時に手術が必要
胃ろうの造設術
胃ろうを造設する方法には、以下のようなものがあります。
PULL法(プル法)
腹部から経皮的に胃内に挿入したワイヤーを内視鏡下で把持し、内視鏡と共に口腔から出し、そのワイヤーをPEGカテーテルと結び付け、PEGカテーテルを口腔→咽頭→食道を経由し胃内から引き出す方法です。
関連動画:【手技動画】カンガルーPEGキット(感染防止タイプ) 手技解説(0:19:32)
イントロデューサー法
造設前に胃壁固定をし、トロカール針を使用して、その外套内にカテーテルを直接通す方法です。
セルジンガー法(イントロデューサー変法)
Pull法やイントロデューサー法の欠点を克服した方法。細い穿刺針で穿刺後、ガイドワイヤを挿入し、ダイレータを用いて鈍的拡張をした後、カテーテルを挿入します。
関連動画:【手技動画】カンガルーセルジンガーPEGキット 手技解説(0:35:15)
胃ろうのカテーテルの種類
胃ろうにはカテーテルを留置しますが、このカテーテルは、カテーテル本体、外部ストッパー、内部ストッパーにて構成されています。外部ストッパーはボタン型もしくは、チューブ型の2種類、内部ストッパーはバンパー型もしくは、バルーン型の2種類に分けられ、それぞれの組み合わせにより4つの種類があります。この4種類にはそれぞれに特徴があり、管理方法が異なるため、患者の状態に応じた適切なカテーテルを選択することが必要です。
ボタン型/チューブ型(外部ストッパーによる分類)
ボタン型の長所と短所
<長所>
・目立たず日常生活の邪魔にならない
・自己抜去のリスクが少ない
・逆流防止弁がついている
<短所>
・シャフト長の調整ができない
・接続チューブの接続や管理に慣れが必要
チューブ型の長所と短所
<長所>
・専用の投与セットが不要で栄養管の接続が容易
・外部ストッパーの位置が動くので、シャフト長の調節が可能
<短所>
・カテーテルが日常生活の邪魔になることがある
・チューブ内に汚れが残りやすい
バンパー型/バルーン型(内部ストッパーによる分類)
バンパー型の長所と短所
<長所>
・長期間の留置が可能で交換までの期間が長い(4か月)
<短所>
・製品により抜去方法が異なる
・交換時に痛みが生じることがある
バルーン型の長所と短所
<長所>
・バルーン内の固定水を抜いて抜去するため交換が容易
<短所>
・ 定期的な固定水の確認、入れ替えが必要
・ バンパー型と比較して抜けやすい
・ 短期間(1か月)でカテーテルの交換が必要
ボタン型タイプに必要な投与セット(接続チューブ)の種類
ボタン型タイプの胃ろうカテーテルは、目立たず日常生活の邪魔にならない反面、栄養投与や減圧をする際に、専用の投与用セット(接続チューブ)の接続が必要になります。
投与セット(接続チューブ)の種類や仕様は製品により異なりますので、留置されているボタン型タイプに付属しているものを使用しましょう。
ここではカンガルーボタン™ Ⅱの投与セット(接続チューブ)についてご紹介します。
持続投与用チューブ 60cm ※画像外側
液体栄養剤をゆっくり投与する際に使用しやすいチューブです。チューブが長いため取り回しが良く、ボタン接続口はL字型(直角型)のため、投与中も洋服の上から目立ちにくいです。
ボーラス投与用チューブ 30cm ※画像内側
半固形栄養剤等の粘度の高い栄養剤を短時間で注入する際に使用しやすいチューブです。ボタン接続口はストレート型のため、栄養剤の注入抵抗が少なくなります。
※上記2種類がカンガルーボタン™Ⅱに同梱されています。
ボーラス投与用チューブ 15cm
半固形状栄養剤等の粘度の高い栄養剤を注入する際、より注入の負担を軽減する15cmのショートチューブも使用可能です。30cmと比較してより栄養剤の注入抵抗が少なくなります。
※こちらはオプション品です。
関連FAQ:カンガルーボタンⅡの接続チューブだけ購入することはできますか?
減圧用チューブ
逆流防止弁の位置がの内部ストッパーにあるタイプのカテーテルにて減圧を行う場合は“ 減圧用チューブ” が必要です。
カテーテルによって、逆流防止弁の位置が異なります。逆流防止弁の位置が外部ストッパーの場合、栄養投与用チューブにて減圧も行うことができますが、逆流防止弁の位置が内部ストッパーの場合、減圧の際に専用の減圧用チューブが必要になります。
当社のカンガルーボタン™ Ⅱは逆流防止弁が外部ストッパーに位置しています。(減圧用チューブは不要)
胃ろうのカテーテルの交換
胃ろうカテーテルは定期的な交換が必要です。バンパー型は4か月、バルーン型は1か月が目安となります。長期間交換していない場合、カテーテル変形、変質、破損の原因となりトラブルにつながることがあるので注意が必要です。
胃ろうカテーテルの交換方法は、バンパー型、バルーン型で大きく異なります。バルーン型はバルーン内の固定水をシリンジで抜いて抜去・交換します。バンパー型は専用の抜去器具を用いる製品が多く、留置されたカテーテルの添付文書を確認のうえ、安全に抜去しましょう。
交換時にガイドワイヤと使用するタイプと使用しないタイプがありますが、ガイドワイヤで瘻孔の道筋を確保して交換を行った方が誤挿入のリスクを低減できると言われております。
カンガルーボタン™ Ⅱはガイドワイヤを用いて瘻孔を確保し、バンパーを伸展・ロックさせてスムーズに抜去・交換が可能です。
関連動画:カンガルーボタンⅡを用いた安全・確実な胃瘻交換の実際 ~胃ろう交換時合併症を減らす工夫~(0:10:37)
胃ろう周囲のスキンケアと保護
胃ろうカテーテル周囲のケア
胃ろうの周囲は常に清潔に保ちましょう
•入浴やシャワー時は瘻孔部を弱酸性の石鹸で泡立てて洗い、微温湯で洗浄する
洗浄後は充分に水分を拭き取り、自然乾燥する(ドライヤーは使用しない)
•入浴出来ない場合でも1日1回は微温湯での洗浄が望ましい
微温湯で濡らしたタオルやきりふきを使用して洗浄する
•入浴出来る場合には胃ろう周囲は保護をすることなく入浴ができる
胃ろう周囲の保護
瘻孔にトラブルがなければ造設翌日よりガーゼの保護は不要です。
胃ろうのスキントラブル
胃ろうのスキントラブルには以下のようなものがあります。
漏れ、発赤、びらん・潰瘍、肉芽(にくげ)、硬結、バンパー埋没症候群など
「PEGスキンケアポケットブック」には胃ろうのスキンケアの基本やそれぞれのスキントラブルの原因と対策について、わかりやすく解説されています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
また、いつでもポケットに入れて携行いただけるよう手のひらサイズの冊子となっていますので、郵送をご希望の方はお問い合わせフォームよりご依頼ください。
胃ろうカテーテルの日常ケア・管理
外部ストッパーの日常管理
1日1回はカテーテルを押し込んで回転させましょう
胃内のバンパーが胃壁に埋もれてしまうことをバンパー埋没症候群といいますが、これの予防や早期発見のために、栄養剤や薬剤投与の際に、抵抗なくスムーズに押し込んで回転するか、上下に0.5~1.5cm動くか、ゆとりがあるかを確認しましょう。
内部ストッパーがバルーン型の場合の管理
留置している製品の添付文書に従って、1週間~1か月に1度バルーン内の注入量を確認しましょう
医師の指示に従い、ルアーシリンジを使ってバルーン内の注入水を全て抜き、注入量の確認をします。
<注意点>
・バルーンへの注入は、滅菌蒸留水を使用してください。
生理食塩水や水道水では詰まる恐れがあります。
・バルーンの容量を超えて注水しないでください。
・注入水の交換頻度、及び容量は製品によって異なります。
必ず添付文書を確認しましょう。
胃ろうカテーテルや投与セット(接続チューブ)のフラッシュ
経腸栄養用シリンジで微温湯を注入し、フラッシュしましょう
胃ろうカテーテルや投与セット(接続チューブ)の汚れや詰まりを防止するために、投与のたびに微温湯20mlを勢いよく注入して栄養剤や薬剤の残りを落とします。
・栄養剤投与の前後
・薬剤投与の前後
・4時間以上継続して栄養剤を入れるときは4時間毎に1回
接続部の経腸栄養コネクタ(紫色)についても使用後はガーゼやブラシを用いて汚れが残らないようにお手入れしましょう。
関連動画:ENFit 経腸栄養製品のコネクタ形状変更について お手入れ方法(0:07:27)
胃ろうカテーテルからの薬剤投与方法(簡易懸濁法)
薬剤によりカテーテルが閉塞してしまう事例が多く報告されているため、カテーテルの閉塞防止として薬剤は簡易懸濁法(かんいけんだくほう)で投与してください。
まず投与したい薬剤が簡易懸濁法に適しているかを薬剤師に確認してもらいましょう。
簡易懸濁法の手順
ダウンロード可能!「適切な胃ろう管理のために PEG(胃ろう)ケアハンドブック」胃ろうの造設方法から上記の日常の管理方法まで、わかりやすく掲載しておりますのでご活用ください。患者への説明用冊子としてもお使いいただけます。
胃ろうのトラブル 原因や対策
胃ろうカテーテルの自己(事故)抜去
胃ろうカテーテルの自己(事故)抜去時の対応
・数時間から1日で胃ろうの瘻孔は塞がる
・瘻孔完成前【造設後約1か月間】の場合、担当医師へ報告の上、できるだけ早く安全に瘻孔を確保することが大切です(腹膜炎となり重篤となる可能性がある)
・瘻孔完成後【造設後約1か月以降】の場合、一時的な対処として以下のように瘻孔を確保し、医師により新しいカテーテルを挿入する
→バンパー型:なるべく同じ太さのバルーンカテーテル、バンパー部分を切った胃ろうカテーテルを入れておく
→バルーン型:抜いたチューブを入れておく
・ただし、無理な再挿入はしない!
・必ず医師へ報告し、挿入したカテーテルが確実に胃内に留置されていることが確認できるまで栄養剤や薬剤の投与はしない
下痢
原因
胃ろうからの栄養投与で下痢が起こる主な原因は以下です。
1.栄養剤の滴下速度が速い
2.浸透圧が高い
3.栄養剤の組成に関すること
4.細菌汚染
5.過敏性腸症候群
6.薬剤性の腸炎、感染性腸炎
7.抗がん剤や放射線療法による下痢
対策
1.注入速度の調整
・20~30ml/時で開始、1~2日ごとに20~30ml/時速度アップする
・下痢が生じたら一旦前の速度に戻す
2.栄養剤の調整・変更
・食物繊維が添加されている栄養剤の選択
・浸透圧の高い栄養剤は投与速度・濃度を調整
・乳糖不耐症の場合は、乳糖の含まれていない栄養剤を選択
・脂肪吸収障害の場合は、膵疾患の有無や脂肪勧誘の少ない栄養剤の選択
・半固形化栄養剤の導入
胃ろうケアと栄養剤投与法 編集西口幸雄 矢吹浩子 照林社;p121
経腸栄養剤の種類と選択 編集井上善文 足立香代子 フジメディカル出版; p105-107
3.栄養バッグやチューブ、投与セットなどの汚染を防ぐ
・手洗い、マスクの着用、清潔な場所
・RTH(Ready to hang)製剤の導入
・8時間以内に栄養剤と使用器具の交換
・栄養バッグ、チューブ、投与セットの正しい洗浄と消毒
嘔吐・逆流
原因
嘔吐・逆流が発生する主な原因は以下です。
1.栄養剤の滴下速度が速い
2.下部食道括約筋機能低下による胃食道逆流症
3.便秘やガスの貯留
4.胃からの排出機能遅延
5.消化管蠕動の低下
対策
1.注入速度や栄養剤の粘度を調整する
・注入速度を遅くする
・半固形化栄養剤を検討する
2.栄養剤投与前にPEGカテーテルから吸引する
胃内容物を調べ、前回投与した栄養剤がたくさん貯留されている場合は、投与速度を検討する必要があります。
参考:<日本静脈経腸栄養学会 静脈経腸栄養ガイドライン第3版>
経腸栄養アクセスの管理
Q 胃アクセスを用いる場合の注意点は?
4.1 誤嚥性肺炎防止のために上半身を挙上して投与する(BⅢ)
4.2 誤嚥性肺炎を防止するために胃内残留量のモニタリングを行う。(BⅢ)
栄養剤投与前の胃内減圧(ガス抜き)も有効です。
参考FAQ:胃ろうで胃内減圧(ガス抜き)をする方法を教えて下さい。
3.経胃ろう空腸ろう(PEG-J)の検討
胃ろう経由で空腸にカテーテルを挿入し、留置し経腸栄養剤の持続投与を行います。
この場合、胃のリザーバー機能がないため、時間100ml/時以下で栄養剤投与をすることが基本です。
その他便秘の改善や消化管運動を促進する薬剤などの投与も対策の一つとして挙げられます。
胃ろう関連の保険点数
胃ろう造設時の診療報酬
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 6,070点
(1) 経皮的内視鏡下胃瘻造設術を行う場合においては、予め胃壁と腹壁を固定すること。
(2) 実施した胃瘻造設術の術式について、開腹による胃瘻造設術、経皮的内視鏡下胃瘻造設術又は腹腔鏡下胃瘻造設術のいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載するこ と。なお、経皮的内視鏡下胃瘻造設術で用いるカテーテル及びキットの費用は所定点数に 含まれ別に算定できない。
(3) 当該療養を行う際には、胃瘻造設の必要性、管理の方法及び閉鎖の際に要される身体の状態等、療養上必要な事項について患者又はその家族等への説明を行うこと。
(4) 胃瘻造設後、他の保険医療機関等に患者を紹介する場合は、嚥下機能評価の結果、嚥下機能訓練等の必要性や実施するべき内容、嚥下調整食の内容(嚥下機能の観点から適切と 考えられる食事形態や量の情報等を含む。)、患者又はその家族等への説明内容等を情報 提供すること。
(5) 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関以外の保険医療機関において行われる場合は、所定点数の 100 分の 80 に相当する点数により算定する。
K939-5 胃瘻造設時嚥下機能評価加算 2,500点
(1) 胃瘻造設前に嚥下造影又は内視鏡下嚥下機能検査による嚥下機能評価を実施し、その結果に基づき、当該保険医療機関に配置されている医師が胃瘻造設の必要性、今後の摂食機 能療法の必要性及び方法、胃瘻抜去又は閉鎖の可能性等について患者又はその家族等に十 分に説明及び相談を行った上で胃瘻造設術を実施した場合に算定する。
(2) 内視鏡下嚥下機能検査による嚥下機能評価を実施する場合(他の保険医療機関で内視鏡下嚥下機能検査を実施する場合を含む。)は、関連学会等が実施する所定の研修を修了し た者が実施すること。
(3) 他の保険医療機関において嚥下造影による嚥下機能評価を実施した場合又は内視鏡下嚥下機能検査(関連学会等が実施する所定の研修を修了した者が実施する場合に限る。)に よる嚥下機能評価を実施した場合は、当該評価を実施した保険医療機関において、その結 果を患者又はその家族等に十分に説明するとともに、胃瘻造設術を実施する保険医療機関に情報提供すること。また、胃瘻造設術を実施する保険医療機関と嚥下機能評価を実施し た保険医療機関とが異なる場合の診療報酬の請求は、胃瘻造設を行った保険医療機関で行 い、診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。
(4) 嚥下機能評価の結果及び患者又はその家族等に対する説明の要点を診療録に記載すること。
(5) 嚥下造影又は内視鏡下嚥下機能検査の実施日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(6) 当該加算を算定した場合であっても、区分番号「E003」の「7」嚥下造影及び区分番号「D298-2」内視鏡下嚥下機能検査は別に算定できる。
(7) 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関以外の保険医療機関において実施される場合は、所定点数の 100 分の 80 に相当する点数により算定する。
胃ろうカテーテル交換時の診療報酬
J043-4 経管栄養・薬剤投与用カテーテル交換法 200点
(1) 経管栄養・薬剤投与用カテーテル交換法は、胃瘻カテーテル又は経皮経食道胃管カテーテルについて、十分に安全管理に留意し、経管栄養・薬剤投与用カテーテル交換後の確認を画像診断又は内視鏡等を用いて行った場合に限り算定する。なお、その際行われる画像診断及び内視鏡等の費用は、当該点数の算定日にのみ、1回に限り算定する。
(2) 薬剤投与を目的として胃瘻カテーテルの交換を行った場合は、レボドパ・カルビドパ水和物製剤を投与する目的の場合に限り算定する。
その他(閉鎖、抜去)
K665 胃瘻閉鎖術
1 開腹又は腹腔鏡によるもの 12,040点
2 内視鏡によるもの 10,300点
外科的に造設された胃瘻について、開腹や腹腔鏡による操作等を伴う胃瘻閉鎖を行った場合 に算定する。なお、胃瘻カテーテルを抜去し閉鎖した場合は算定できない。
K665-2 胃瘻抜去術 2,000点
胃瘻カテーテルを抜去し、閉鎖した場合に算定する。
※算定方法や施設基準、その他詳細については、厚生労働省の診療報酬に関する案内をご確認ください。
出典・参考:
診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001239959.pdf
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001240265.pdf
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001240269.pdf
まとめ
胃ろうは免疫能維持の観点からももっとも生理的で、長期の栄養管理の第一選択は胃ろうです。患者に合わせた胃ろうの種類を選択し、適切にカテーテル管理とスキンケアをしていくことが重要です。
胃ろう(PEG)についてのお役立ち情報
【連載】看護師のための経腸栄養講座(外部サイト)
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