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間欠的空気圧迫装置とは
間欠的空気圧迫装置(intermittent pneumatic compression:IPC、以下IPC)とは、静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE、以下VTE)に対する理学的予防法のひとつで、間欠的空気圧迫法に用いられる医療機器です。
静脈血栓塞栓症とは、深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT、以下DVT)と肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)の総称です。
間欠的空気圧迫装置は、一般的にIPCやフットポンプと呼称されています。
患者の脚を空気圧で圧迫することにより、静脈の血行を促進し、静脈血栓塞栓症の予防および血液のうっ滞や浮腫を軽減します。
IPCや弾性ストッキング、抗凝固療法といった静脈血栓塞栓症に対する予防法は、血栓症の発症リスクや出血リスクを考慮して選択されます。
IPCの原理
圧迫では、チャンバで構成されたスリーブまたはカフを患者に装着して使用します。本体からチューブを通してガーメント(スリーブ、カフ)に空気を注入することで膨張と収縮を繰り返し行います。この動作により下肢の末梢循環を促しています。
SCD™ 700 シリーズは、脚部圧迫では3つのチャンバで構成されたスリーブを使用します。また、各チャンバには末梢から順に間欠的に空気が注入されるしくみとなっています。
間欠的空気圧迫装置の種類
間欠的空気圧迫装置には、主に脚部を圧迫するカーフポンプ(Calf Pump)、足底部を圧迫するフットポンプ(Foot Pump)があります。
SCD™ 700 シリーズのガーメントには脚部圧迫用のレッグスリーブ、足底圧迫用のフットカフがあります。これらのガーメントは左右で異なるタイプのガーメントを使用することや、片脚だけも圧迫することが可能です。
関連FAQ:SCDを使用する際に注意すべき合併症とその予防法を教えてください。
Kendall SCD™ 700 シリーズの特徴
1台で無駄のないDVT予防
1台で大腿、腓腹部、足底の圧迫が可能です。また、片脚のみでも使用することができます。
SCD700シリーズには、SCDエクスプレススリーブ・フットカフも使用可能です。
一人ひとりに最適な圧迫サイクル
患者は一人ひとり状態も、血管構造も、圧迫後の血管内に血液が再び充満する時間も様々です。血液再充満検知機能(VRD)により一人ひとりに最適な圧迫サイクルを自動調整します。
患者検知機能(コンプライアンスメータ)
患者検知機能は、圧迫が実施されていることを医療スタッフが正確に確認できるように支援する機能です。
スリーブが正しく装着されていない場合や患者から取り外されている場合、その他使用中のエラー発生時、アニメーションとアラーム音でお知らせします。
動画アラームによるトラブルシューティング
動画アイコンによるアラームでエラーの原因やエラー解除方法が表示されます。また、エラーの履歴は本体に記録され、確認することができます。
SCD™ 700 シリーズには3種類のアラームがあります。
❶トラブルを解決して再開
❷トラブルを解決して再起動
❸修理が必要な場合
関連資料:安全上のご注意(アラームコード表)
関連FAQ:エラー・アラーム・その他異常
製品情報:Kendall SCD™ 700 シリーズ
SCD™ 700 シリーズの使用方法
脚部圧迫の場合:患者の足関節部分から順にガーメントを巻き付け、固定します。このとき、きつく締めすぎないことに注意します。SCDの場合、スリーブと脚の間に指が縦に2本入るくらいの締め方が適切です。
また、着用後も定期的にスリーブの締め具合を確認して修正します。
足底圧迫の場合:カフの所定の位置に足を置きます。足にカフを巻き付け、ストラップで固定します。このとき、きつく締めすぎないことに注意します。
《注意点》
- 下肢の一部に圧力が偏らないようにします。特に、患者が腹臥、膝を曲げた状態や横向きに寝ている際に注意します。
- チューブやコネクタが患者の脚の下に位置しないよう注意します。
関連動画:SCD™ 700 シリーズの正しい使用方法(00:10:35)
関連動画:SCD Educational Video(0:05:16)
弾性ストッキングとは
弾性ストッキング(elastic stockings:ES)とは、四肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減または予防する等、静脈還流の促進を目的に使用される医療用の弾性ストッキングです。
T.E.D.™ サージカル ストッキングの場合、膝下までのハイソックスタイプと、大腿部までのストッキングタイプの2種類があります。ハイソックスタイプは足首から膝下にかけて、ストッキングタイプはさらに膝上から大腿にかけて段階的に圧迫を加えます。
弾性ストッキングやIPC、抗凝固薬といった静脈血栓塞栓症に対する予防法は、血栓症の発症リスクや出血リスクを考慮して選択されます。
関連資料:Link Vol.21 弾性ストッキングの静脈血栓塞栓症予防におけるエビデンスに再び焦点を当てる
T.E.D.™ サージカル ストッキングの特徴
快適性
マルチフィラメントで織られたT.E.D.™は、ロングストレッチ素材で伸縮性に富み、快適に着用できます。
選べるサイズバリエーション
T.E.D.™ サージカル ストッキングは、ハイソックスタイプは12サイズ、ストッキングタイプは9サイズの全21サイズがあり、患者に合ったサイズを選択いただけます。
最適な圧迫圧
Sigel理論に基づいた最適な段階的圧迫を与えることにより、下肢静脈還流をサポートします。
インスペクションホールで血行を観察
つま先に検査穴を設けているので、履いたままの状態で皮膚の色や体温、脈拍数などのチェックが行えます。
血流を妨げないインステップライン
ストッキングが正確な位置にフィットするように、足の甲やかかとを足型に織り上げ、かかと部分をポケット状にしました。履き心地もよく、患者に不快感を感じさせません。
製品情報:T.E.D.™ サージカル ストッキング
T.E.D.™ サージカルス トッキングの使用方法
適切な圧迫圧を得るために、ハイソックスタイプはふくらはぎ周り、ストッキングタイプは大腿部およびふくらはぎ周りを測定し、正しいサイズを着用してください。
T.E.D.™ サージカル ストッキングでは正しいサイズ測定のためにハイソックスタイプ・ストッキングタイプそれぞれに専用のメジャーをご用意しています。
※専用メジャーをご希望される場合は、弊社担当者またはカスタマーサポートセンターにお問い合わせください。
TEL:0120-917-205
関連動画:T.E.D.™ サージカルストッキングの正しい使用方法 ハイソックス(膝丈)タイプ(0:06:48)
関連動画:T.E.D.™ サージカルストッキングの正しい使用方法 ストッキング(大腿丈)タイプ(0:07:23)
関連資料:T.E.D.™ サージカル ストッキング 正しい着用方法_クイックガイド
《注意点》
- 適用サイズから外れる場合には、使用しないでください。
- 血液循環を妨げないよう、使用中はストッキングを丸めたり折り曲げて使用しないでください。
- 過剰な締め付けによる血流障害や皮膚の圧迫を防ぐため、たるみやしわのないように均等に引き上げて着用してください。
- ハイソックスタイプをご使用の場合、ストッキング上部を折り返さないでください。また、ストッキングで膝を覆わないでください。
- 着用者自身が誤った方法で着用し直すことのないように、着用者にストッキングの正しい着用方法を指導してください。
関連資料:Link Vol.15 VTE予防時の弾性ストッキングによる圧迫創傷ゼロへの取り組み
関連FAQ:TEDサージカルストッキングを使用する際に注意すべき合併症とその予防法を教えてください。
まとめ
2004年に静脈血栓塞栓症の予防ガイドラインが発行され、同年4月の診療報酬点数改定にて「肺血栓塞栓症予防管理料」が新設されたこと等を背景にDVT/VTEに関する理解が進むとともに予防対策の重要性が認識され、IPCや弾性ストッキングを使用したDVT/VTEの理学的予防法が広く実施されています。
IPC・弾性ストッキングともに適切な予防効果を得るために正しく使用しましょう。
DVT/VTE予防は病院全体で取り組む施設も多く、他施設の取り組みをまとめたケースレポートも多数ご用意しておりますので、ぜひご参考にしてください。また、患者説明用の冊子もご用意しておりますので、ご活用ください。
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