Column お役立ち情報
皆様から寄せられた現場の疑問を、実際の相談事例をもとにQ&A形式で解説します。実際の対応は、各施設の手順、使用製品の添付文書、医師の指示に従って実施してください。
PICC留置中の閉塞はなぜ起こる?確認ポイントと閉鎖予防策
Q:PICC留置中に閉塞が起こりやすい要因、日常管理時の注意点、閉塞予防として推奨される管理方法や現場での工夫について教えてください。
A:まずは「どのような状況で閉塞が発生したのか」を把握することが重要です。PICC閉塞が疑われる場合は、発生状況を確認し、血栓性閉塞と決めつけずにクランプ・キンク・体位の影響も評価します。予防には、パルシングフラッシュと陽圧ロックの確実な実施が大切です。
PICCの閉塞が疑われた場合、最初から血栓性閉塞と判断するのではなく、どのような場面で閉塞が発生したのかを丁寧に確認することが大切です。
閉塞は原因によって対策が異なるため、発生時の状況を詳しく把握することが、原因の推定や再発予防につながります。
まず発生状況、日常管理、機械的要因の3つの視点から確認すると、原因の切り分けがしやすくなります。

✓持続投与をしておらず、翌日に再使用した際に閉塞した
✓持続投与中のバッグ交換時に閉塞した
✓採血や輸血を行った後に閉塞した
✓ドレッシング交換後に閉塞した
✓配合変化の可能性がある薬剤を投与した後に閉塞した
✓患者の体位や生活環境の影響が考えられる
例:PICC挿入側を下にして寝る習慣がある、腕の位置によって流れが悪くなる など
このように、「いつ」「何の後に」「どのような状態で」閉塞が起きたのかを整理することで、原因の特定につながります。
閉塞予防としては、弊社の末梢挿入式中心静脈カテーテル(PICC)管理マニュアルにも記載のとおり、薬剤投与後のパルシングフラッシュおよび陽圧ロックを確実に実施することが最も重要です。
関連FAQ:パルシングフラッシュとは何ですか。
関連動画:輸液管理 – パルシングフラッシュ(0:01:35)
PICC閉塞が疑われたときの確認ポイント
また、臨床現場では機械的な要因による閉塞も少なくありません。特にドレッシング交換時には、フィルム材を貼付する際にカテーテルを誤って屈曲(キンク)させてしまうことがあります。さらに、患者の体動によって皮膚のしわにカテーテルが入り込み、キンクを生じているケースも経験しています。
実際に閉塞が疑われる場合は、ルート全体をたどりながら、クランプの状態やカテーテルの屈曲・圧迫がないかを確認してください。その上で逆血の有無を確認します。

特に、逆血が認められない場合でも、患者に挿入時の体位や腕の位置を変えていただくことで逆血が得られ、その後フラッシュ可能となるケースも少なくありません。
このように、実際にはカテーテルのキンクや体位の影響で一時的に流れが悪くなっているだけの場合でも、閉塞アラームの発生や「閉塞」と判断されることがあります。
そのため、閉塞発生時には安易に血栓性閉塞と判断せず、まず機械的要因を含めて原因を丁寧に確認することが、適切な対策と再発予防につながります。
キンク予防の固定方法に、すべての患者に共通する「絶対的な正解」はありません。皮膚の状態、腕の動き、浮腫の有無、生活動作、寝る姿勢などの患者特性に合わせて、現場で固定方法や観察の工夫を行うことも大切です。
関連情報:PICCとは?PICCの基本知識と安全な取り扱い方法・看護のポイント
よくある質問
Q:PICCカテーテルを留置中、どのくらいの頻度でカテーテルをフラッシュすればいいですか?
A:Argyle™ Fukuroi PICC キットの添付文書では、カテーテル留置中に1日1回、カテーテル内腔をフラッシュし、ヘパリンロックすることが記載されています。
実施方法は、使用しているPICC製品の添付文書や施設の手順に従ってください。→詳細はこちら
Q:PICCカテーテルの固定について教えてください。
A:PICCカテーテルは、基本的にドレッシング材とテープで皮膚に固定します。腕の動きでカテーテル全体が動きやすいため、カテーテルがずれたり、屈曲・キンクしたりしないよう安定して固定することが重要です。ご使用のカテーテルの長さや留置血管により適切な固定方法は異なりますが、肘の屈曲に影響しないよう、直線固定または緩やかなループ固定を行い、カテーテルが折れないように注意しましょう。→詳細はこちら
その他、弊社製品の使用方法や仕様に関するご不明点は、有人チャットかお問い合わせフォームよりご利用ください。
専門解説:カーディナルヘルス株式会社 特定看護師 栃堀香

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