Column お役立ち情報
SCD™(SCD スマートフロー、SCD700、SCD エクスプレス)は静脈血栓塞栓症を予防(VTE 予防)するためのIPC(間欠的空気圧迫法)デバイスです。その大きな特徴、特許技術として「VRD(血液再充満検知) 」が搭載されています。これは、「患者へ個々にカスタマイズされた圧迫サイクルを提供すること」を目的とした機能です。
VRD の臨床的効果、検知技術、注意点とポイントを通して、SCD™がVTE 予防にどのようにお役に立てるのか改めてご紹介いたします。
※こちらもあわせてお読みください➡Link Vol.23 手術医療におけるVTE 予防対策の実践を通じた質向上と医療安全への取り組み


※VRD:Vascular Refill Detection はCardinal Health の特許技術です。
VRD(血液再充満検知)の臨床的効果
IPC の圧迫にて、血液は中枢へ還流されます。その後、血管内に血液が再充満されますが、その再充満される時間:血液再充満時間は患者ごとに異なります。
しかし、従来のIPC では、その「血液再充満時間」が考慮されず、一定の間隔で圧迫を繰り返していました。そのため、下肢に血液がしっかり再充満されていない状態で圧迫している可能性があり、期待するVTE 予防の効果が得られていない可能性がありました。
【従来のIPC の圧迫】

それを改善するために、静脈に血液が再充満される時間を検出することができるVRD がSCD スマートフロー、SCD700、SCD エクスプレスには搭載されています。この機能により、自動で加圧休止時間を20~60 秒の間で変更させることで、「患者へ個々にカスタマイズされた圧迫サイクルを提供する」ことが可能です。
【SCD スマートフロー、SCD700、SCD エクスプレスの圧迫】


VRD(血液再充満検知)の検知技術
VRD はエアープレチスモグラフィー技術を利用し、「加圧サイクル後に静脈に血液が再充満される時間:血液再充満時間」を以下の手順で検知します。
① 第2 チャンバー(腓腹部)に、6 mmHg の圧を残すことで、静脈還流に伴い下肢からスリーブにかかる微弱な圧変化をモニタリングしやすい環境を作る。
② 最長60 秒間、圧変化を腓腹部周囲径の変化として計測する。
③ 周囲径の変化が止まったタイミング(圧変動が10 秒間で0.3 mmHg 以内に収まる)を血液再充満時間と判定する。
④ 患者ごとに適切な加圧サイクル(加圧休止時間20~60 秒)で圧迫を開始する。

フットカフ(足底部圧迫)でも同様の検知を実施します。
VRD(血液再充満検知)の注意点とポイント
VRD に関して、CE の皆様にぜひ知っておいていただきたい注意点とポイントがあります。
赤字の説明は特に重要です。
① VRD の測定タイミング・動作
・ 電源投入後、規定圧到達時に初回のVRD を実施します。
・ 以降は30 分ごとに測定します。(常時検知ではありません)
② 加圧休止時間の決定
・ 加圧休止時間はレッグスリーブ:20~60 秒、フットカフ:30~60 秒内で変動します。
・ 右:レッグスリーブ、左:フットカフのように左右で異なるガーメントを装着していてもVRD は作動します。2 つの測定時間の長い方を加圧休止時間として決定します。
③ 電源接続時とバッテリ駆動時の違い
・ バッテリ駆動中はVRD 機能が無効になり、加圧休止時間は最長の60 秒間に固定されます。
・ 電源コードをコンセントに接続している時のみ、VRD は機能します。(SCD™の能力を最大に発揮させるためにできるだけ電源コードをコンセントに接続してご使用ください)
④ VRD 作動時の表示・注意事項
・ VRD 作動中はディスプレイにアイコンが表示されます。検知が終了すれば自動で消えます。(下記参照)
・ 体動などにより圧が一定に収まらない場合はVRD を繰り返すことがあります。

まとめ
SCD™(SCD スマートフロー、SCD700、SCD エクスプレス)に搭載された特許技術VRD の情報はいかがでしたか?
SCD™は下腿をただ圧迫するのではなく、VRD によって「考え、検知、反応」することを繰り返します。それにより、患者は個々にカスタマイズされた圧迫サイクルを提供されるだけではなく、大規模なRCT で臨床効果が示されているVTE予防を受けることができます。
今回のご紹介を通じて、さらなるVTE 予防への関心と、SCD™がVTE 予防にお役立ていただけることをご理解いただければ幸いです。
VTE のさらに深い臨床的な話やリスク評価(リスクの数値化と予防策の決定)に関しまして、ご興味がありましたら、弊社の営業担当者までご連絡ください。
また、テクニカルトレーニングでもVRD をはじめ、SCD™の他の特徴や技術情報などもお伝えしておりますので、ご興味のある方はぜひお申し込みください!
執筆:カーディナルヘルス株式会社 テクニカルサポート
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