Case report ケースレポート
Chorusline Vol.54
CVポートに関わる知識習得とトレーニングの重要性
CVポートは、長期間にわたる静脈内治療や血液サンプルの採取に使用される医療器具であり、その使用と管理には技術と知識が必要です。また、医療従事者の皆さまがCVポートの指導やサポートを提供することで、患者のストレスや不安を軽減することができます。
今回は、足利赤十字病院にて研修医、内科医、看護師向けに導入された、CVポートに関わる勉強会やトレーニングについての取り組みをご紹介いたします。CVポートに関してマニュアル化はされていたものの、より安全で確実に穿刺・投与管理するため、運用アルゴリズムの見直しやトレーニングを導入され、その内容について詳細に執筆いただきました。
トレーニングと手技の実際(消毒、穿刺、逆血確認、固定、抜針方法まで)を写真付きで、1つ1つ詳細に説明いただいておりますので、明日からのCVポートの手技・管理にお役立ていただけるバイブル的な資料となっております。ぜひ、皆さまの安全なCVポート管理の一助になれば幸甚です。
施設概要
足利赤十字病院は540床(緩和ケア病棟19床、回復期リハビリテーション病棟50床、精神科病棟40床含む)病院機能評価認定の急性期病院です。
また、地域がん診療連携拠点病院や高次機能地域支援拠点病院として2011年7月に現在の病院へ移転。
2021年には国際的病院機能評価機構であるJCI(Joint Commission International)の認定を更新しており患者安全と医療の質の向上に努めています。
外来化学療法室は、ベッド数17床(ベッド15床、リクライニングチェア2床)となりました。年間4500~5000件の乳腺、消化器、呼吸器、婦人科、泌尿器、脳神経外科、血液内科などの治療を行っています。
2022年度の血管外漏出は1件のみ(漏出率0.02%)であり、安全で確実な血管選択・投与管理に努めています。
CVポートのトレーニングに向けて
CVポート運用について
CVポート勉強会とトレーニング前の問題点
CVポート勉強会
CVポート運用について
- 研修医、内科医対象1対1勉強会とトレーニング
- 看護師教育
トレーニングと手技の実際
- ポート部の観察
- 消毒
- 先生
- 逆血確認
- 固定
- 滴下確認
- 抜針
終わりに
~足利赤十字病院の工夫と取り組みのまとめ~
- CVポートをシルバータイプへ変更
- 定期的にポート勉強会とHuber針の穿刺トレーニングを実施
- 医師と化学療法認定看護師から許可がでたスタッフが穿刺と抜去を行っている
- PNS(パートナシップ・ナーシング・システム)必ず2人の看護師で協力しながら確認しあう
- それ以外の看護師にもWeb研修を行っている
- Huber針は13mmと19mmを使い分け
- 滴下は自然滴下
- Huber針穿刺シミュレータを工夫して使っている
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