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中心静脈ポートシルバー混錬 ポートの感染調査
~第46回リザーバー&ポート研究会 ランチョンセミナー3からのアップデート~

セミナーレポート/その他資料

セミナーレポート

著者

東京慈恵会医科大学附属病院
放射線医学講座
鈴木 隆之 先生

CVポートについて

 中心静脈ポートは、皮下に埋没させたポートを穿刺することで、ポートが接続されたカテーテルより中心静脈内に容易に薬剤投与ができるデバイスである。
化学療法や中心栄養目的など、持続的に中心静脈への薬剤投与が必要な場合が適応となる。近年の外来化学療法の進歩などにより留置依頼は増加してきており、当院では直近5年間で年間平均約160例を施行している。
 特にポート感染は最多の合併症とされている。ポート使用症例は、抗癌剤治療による免疫機能低下で感染症に罹患しやすい状態に加え、経口摂取困難で中心静脈栄養を要する状態であるため、易感染性で感染症が重症化しやすく菌の培地になることも懸念されるが、本稿で当院での使用実績を紹介する。

銀を混錬した中心静脈ポート

銀を混錬したCVポートの感染予防効果の検討

結果

 当院当科で2022年10月までにポート挿入が施行された症例において、ポート感染の発生頻度はシルバータイプで3.25%(246例中8例)、従来型で7.96%(402例中32例)であった。
シルバータイプでは有意に感染率が減少していた(p=0.0178)。
過去にポート感染の危険因子として報告のあった栄養目的留置や高齢(65歳以上)の因子も含めて多変量解析にて検討した。シルバータイプの要素はポート感染を有意に減少させることが示唆された(表5)。
 さらに患者の感染因子として糖尿病、ポート挿入前のステロイド服薬の因子を含めて多変量解析にて検討した。
やはりシルバータイプの要素はポート感染を有意に減少させることが示唆された。
以上から銀系無機抗菌剤混錬の要素が有意に感染率を下げる結果が示唆され、シルバータイプのポートは感染予防に有用であると考えられる(表6)。

まとめ

 この中心静脈ポートは22Gのエコー視認性が良く、細針で安全に鎖骨下静脈も穿刺できる。
シースは、事前に曲げておくことで、0.018inchのガイドワイヤにも十分追随する。
クローズドエンドタイプのカテーテルであり血栓閉塞もきたしにくい。
そのため抗癌剤治療などのADLが保たれており、長期的にポートを要する症例に使用できる製品と考える。
またシルバータイプは感染率抑制に寄与し、ポート留置後に生じる最多合併症を減らす可能性がある点で有用と考えられる。

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