Column お役立ち情報
目次
1.経腸栄養の重要性
経腸栄養(Enteral Nutrition, EN)は、消化管が機能している患者に対し、腸を介して栄養を供給する方法です。
経腸栄養には、食事や栄養剤を口から摂取する「経口栄養」と、経鼻経腸栄養チューブや胃瘻・腸瘻などを用いて胃や腸に直接投与する「経管栄養」が含まれます。
静脈栄養に比べて生理的で、腸管機能や免疫維持に寄与するため、可能な限り優先されるべき方法とされています。
2.ASPEN栄養アルゴリズムに基づく投与判断
経口摂取だけでは必要な栄養量がとれない患者さんに栄養療法(経腸栄養・静脈栄養)を行う場合、まず消化管が機能しているかどうかを判断します。
消化・吸収・排泄機能が正常であれば経腸栄養が選択され、正常でない場合は静脈栄養が選択されます。
経腸栄養の投与経路として、4週間未満の短期で栄養補給を行う場合に経鼻経腸栄養が選択されます。それより長期になる場合は、胃瘻の造設が望ましいとされています1)。

1) 安全な経鼻栄養チューブ管理のために 経鼻栄養チューブハンドブック第2版,カーディナルヘルス株式会社
静脈栄養まなび・サポート情報
中心静脈カテーテル(CVカテーテル・CVC)とは?カテーテルの種類や安全な挿入・管理
PICCとは?PICCの基本知識と安全な取り扱い方法・看護のポイント
3.投与ルートとデバイス選択
経鼻・胃瘻・腸瘻の適応と選択基準
経腸栄養の投与ルートは、患者の疾患状態、予後、意識レベル、嚥下機能などを総合的に評価して選択されます。
短期的な栄養管理には経鼻経腸栄養チューブが用いられ、比較的簡便に挿入できる利点があります。
一方、長期的な栄養投与が必要な場合は、胃瘻(PEG)や腸瘻が選択されます。胃瘻は消化管上部への投与に適しており、腸瘻は胃排出障害や逆流リスクがある場合に有効です。
選択にあたっては、患者のQOLやケア体制も考慮する必要があります。
| ルート | 使用されるデバイス | 特徴・注意点 |
| 鼻腔 | 経鼻用栄養チューブ | ・留置、交換が容易 ・違和感が苦痛による自己抜去(→身体拘束) ・鼻腔や食道の損傷(→びらん、潰瘍など) ・上咽頭閉鎖不全、知覚鈍麻、カテーテルの咽頭交差(→嚥下機能低下) ・LES圧低下(→胃食道逆流、食道潰瘍) |
| 胃瘻(PEG) | 胃瘻用カテーテル | ・内視鏡を用いた造設手術が必要 ・鼻腔や咽頭にチューブがなく嚥下リハビリを行いやすい ・腹部側、胃壁側の形状の異なるカテーテルを環境に合わせて選択可能 |
| その他(PTEG・PEG-J等) | PTEG用カテーテル、腸瘻用カテーテル | ・胃瘻造設が不可能又は困難な場合の経腸栄養ルート ・手術などで食道や腸へのルートを作成、カテーテルを挿入 |
4.Kangarooは経腸栄養ルートをトータルコーディネートします

❶ 経腸栄養ポンプ
カンガルー OMNI™ポンプは、 より粘度の高い栄養剤の投与が可能になる、革新的な経腸栄養ポンプです。
病院から在宅まで、変化していく経腸栄養のニーズに対応するべく、豊富な機能を備えております。
より安心で安全な栄養投与をこの1台でサポートします。
Kangaroo™ カンガルー OMNI ポンプ

❷ 経腸栄養用チューブ
Kangaroo™ Enteral Feeding Tubeは、疾患や治療、投与方法に応じて選択できるバリエーション豊富なラインアップです。
Kangaroo™ ニュー エンテラル フィーディング チューブ
Kangaroo™ ニュートリフロー™ フィーディング チューブ

おすすめ動画
おすすめ資料
●安全な経鼻栄養チューブ管理のために 経鼻栄養チューブ(ISO80369-3)ハンドブック 第2版
関連製品
MET 光ガイドカテーテルシステム


経鼻栄養チューブの留置位置確認のもうひとつの方法。
栄養チューブ内に先端が光るスタイレットを挿入し、チューブが胃内にあることを体外からカメラで確認する医療機器です。
❸ 胃ろう用ボタン/チューブ
Kangaroo™ PEGシリーズは、ガイドワイヤによる瘻孔保持で、より安全な胃瘻造設・交換手技が行えます。
ロープロファイルで丸い形状のバンパーは、 胃前壁・胃後壁への刺激を軽減し、 潰瘍の形成防止に有効です。
バルーンの水抜けが少ないガスバリア性シリコーンバルーンが特徴の交換用バルーンボタン・チューブもラインアップしています。

胃瘻造設
Kangaroo™ カンガルー™ セルジンガー PEG キット
Kangaroo™ カンガルー™ PEG キット セイフティチューブ付
胃瘻交換
Kangaroo™ カンガルーボタン™ Ⅱ
Kangaroo™ カンガルー™ バンパーG-チューブ
Kangaroo™ GB胃瘻バルーンカテーテル/胃瘻バルーンカテーテル I
おすすめ動画
●カンガルーセルジンガーPEGキット 胃瘻造設術(0:06:36)
●カンガルーボタンⅡを使用した胃瘻交換(0:02:39)
おすすめ資料
●胃瘻のトラブルシューティング PEGスキンケアポケットブック
●患者向け冊子 適切な胃ろう管理のために『PEG(胃ろう)ケアハンドブック』
まなび・サポート情報
胃ろうとは?胃ろうの適応と管理のポイント/日常ケアやトラブルの原因と対策を解説
❹ 腸瘻/ジェジュノストミイカテーテル
腸瘻造設に最適な高流量の空腸瘻造設用キットです。
Kangaroo™ ジェジュノストミイ カテーテル

❺ W-EDチューブ
経腸栄養補給と胃内減圧・洗浄が同時に可能な早期経腸栄養に対応した経鼻経腸栄養チューブです。
Kangaroo™ W-EDチューブ

5.カーディナルヘルスのサポート体制
クリニカルセミナー
看護師経験者などの専門アドバイザーが実施する特別セミナーです。Zoom/Teamsによるオンライン対応、アーカイブ視聴が可能です。
アーカイブのラインナップ
ハンズオントレーニング

シミュレータを用いた医療従事者向けワークショップです。
製品の安全使用のために、シミュレータ等を使用して実践的なトレーニングをサポートいたします。
詳細はこちら
資料請求・サンプル・サポートのお問い合わせ
Cardinal Healthでは、経鼻栄養チューブ、PEG関連製品、腸瘻カテーテル、経腸栄養ポンプなど、各投与ルートに対応した製品を取り揃えています。
また、製品を安全にご使用いただき適切に管理いただくための各種ツールをご用意しております。
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