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Column

臨床工学技士向け

臨床工学技士の方向け お役立ち情報まとめ

平素よりカーディナルヘルス株式会社の製品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
このページでは弊社が開催しておりますテクニカルトレーニングではお伝えしきれていない機械の専⾨的な知識やノウハウ、最新情報をご提供いたします。
院内で機械管理する際に少しでもお役に⽴てれば幸いでございます。

お役立ちトピック

医療機器の防水性と防水規格

医療機器の防水性と防水規格

医療機器を院内で管理されていて、機械の防⽔ってどうなっているんだろう︖誤って液体がかかってしまったら故障の原因になるのかな︖など感じたことはありませんか︖
今回は医療機器の防水性とその規格のお話です。

防水性を示す「IPコード」とは?

IP××という表記は、IEC(International Electrotechnical Commission︓国際電気標準会議)が定めた「IP(International Protection)コード」と呼ばれ、精密機器の防⽔・防塵に対する保護性能の規格を表しています。最近ではスマートフォンなどでこの表記をよく⾒かけます。

このIPコードは、「危険箇所への接近・外来固形物への保護」と「⽔に対する保護」の両⽅の性能を表記している場合と、それぞれ⼀⽅の性能のみを表記している場合の2通りがあります。

その中でも「⽔に対する保護」の等級のことを「IPX」と表し、防⽔性能のない「IPX0」から、⽔⾯下での使⽤が保護される「IPX8」まで9段階の等級があり、数字が⼤きいほど、防⽔性能が⾼くなります。

IPコード表*1

*1:JIS C 0920:2003 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)

当社のSCD™ 700 シリーズの防水性は?

現行機SCD™ 700 シリーズの防水保護規格はIP23です。

つまり、防⽔の性能は「鉛直から両側に60度までの⾓度で噴霧した⽔によっても有害な影響を受けません」。
※防⽔機能はありますが、念のためスプレータイプのクリーナーを直接本体に吹きかけることは避けてください。

SCD™ 700 シリーズの防水の特徴

①外装にOリングネジ使⽤
②加圧休⽌⼝に折り返し構造内側にフィルターを装着
③吸気⼝に折り返し構造内側にフィルターを装着
④前後カバー継ぎ⽬を密封シール形成

当社機械の防水保護規格一覧

まとめ

防水の観点から、手術室など液体を多く取り扱う環境でフットポンプをご使用いただく際は、SCD™ 700 シリーズを推奨しております。

医療機器の大切な機械要素のひとつ「ネジ」

医療機器の大切な機械要素のひとつ「ネジ」

ネジ頭の形状、プラスとマイナス・・・その特徴は?

まずは身近なところから、ネジ頭の形状についてプラスとマイナス、どちらの形状をよく見かけますか?

おそらく大部分の方がプラスだと思います。これはドライバを使用して締結する場合に、 プラスの方がマイナスに比べて、「軸心」(力が伝わるポイント)の移動が少ないので溝にしっかりはまるためです。電動工具で締結を行うときにも確実性があり、作業性も向上します。

ただし、プラスネジをドライバで締結する時に、上から押さえつける力が小さいとプラス穴からドライバが手元に浮き上がって、 先端がネジ穴から外れてしまう「カムアウト現象」が発生することがあります。これにより、いわゆる「ネジがなめって」しまうこと、ご経験はありませんか?

六角星型の形状で高い伝達効率を実現!

この点を改良したのがアメリカの企業が1967年に開発したトルクス(商標登録)です。一般的にはヘクサロビュラー、あるいはヘックスローブと呼ばれます。

ネジの頭が六角の星形をしているため、ドライバーとネジのかみ合いが強く、力の伝達効率が非常に良いという特徴があります。欧米では、プラスネジを抑えて、自動車関係や情報通信機器などで広く用いられています。ア
ップル社のコンピュータにも古くからこのネジが使用されています。

出典:トコトンやさしいネジの本,日刊工業新聞社,2017

当社SCD™ 700 シリーズにも採用!

既に当社のSCD™ 700 シリーズのテクニカルトレーニングを受講された方はご存じかと思います。

この六角星型のメリットとして下記があります。

  • カムアウト現象が発生しにくい → 上から押さえつけなくてよいので労力の軽減
  • ネジ穴をつぶさない → 耐久性・メンテナンス性に優れる
  • いたずら防止 → 一般的ではない形状のため(ただし、現在はインターネット等で簡単に入手可能であり、効果は限定的)

SCD™ 700 シリーズの場合に当てはめると、定期点検や突発的に発生する外装破損などの修理時において、 普段工具を取り扱わない不慣れな方でも(ネジ穴をつぶすリスクが軽減され)、安心して⾧期間管理できます。また所有台数が多い場合でも、余分に押さえつける必要がないため 労力の軽減が期待できます。
加えてSCD™ 700 シリーズでは、ネジの使用箇所によってトルクが規定されていたり、部材との間にO リングや座金(ワッシャ)が使用されていますが、この目的について補足します。

1.外装ネジ(oリング付き、0.9Nm)→ Oリングがネジ穴をシールすることで、水の侵入を防ぐ
2.CPU基板ネジ(座金付き、0.7Nm)→ 座金により接地面積を大きくすることで、(i)圧力を分散させる(ネジ頭の基盤への陥没を防ぐ)、また(ii)摩擦が大きくなり振動による緩みも防ぐ

外装ネジ
CPU基板ネジ

このように改めて眺めてみると、普段メンテナンスする機器のネジへの見方が変わるかもしれませんね。
最後になりますが、今回は機器の大切な機械的要素のひとつであるネジの特徴について取り上げました。この投稿が みなさまにとって何かしら新たな気付きにつながりましたら幸甚です。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

医療機器中央管理とテクニカルトレーニング

医療機器中央管理とテクニカルトレーニング

今回は岩手医科大学附属病院 臨床工学部 泉田拓也技士⾧より中央管理のメリットや弊社のSCD700(DVT(深部静脈血栓症)予防用フットポンプ)テクニカルトレーニング受講後の中央管理の変化など、以下のポイントについてお話を伺いました。

  • コスト削減とダウンタイム削減
  • 適正台数の確保
  • 必要な患者さんへ適時に対応
  • CE全体の意識向上

院内にある医療機器をいつでも適正かつ安全に使用できるように使用後の点検や定期点検だけでなく、修理を行ったり、医療機器管理システムでデータベース化したりすることにより院内のどこで使用されているかまで確認
できる医療機器中央管理を実施されているご施設が増えています。特に所有台数が多く、様々な部署で使用される頻度の高い医療機器は中央管理が必要な機器です。弊社のDVT予防用フットポンプ、経腸栄養用ポンプもそういった機器にあたります。
今回、医療機器を中央管理されている岩手医科大学附属病院 臨床工学部 泉田技士⾧へ中央管理のメリットや弊社のSCD700テクニカルトレーニング受講後は中央管理に変化があったのかなどお話を伺いました。

泉田技師長へのインタビュー

Q:弊社のSCD700テクニカルトレーニングを受講されたいと思ったきっかけ、経緯をご教示ください。

A:SCD700テクニカルトレーニングを受講した理由は、イン愛での点検実施率をアップさせて、点検に関するコストを削減したいという希望があったためです。

そうすることで予算に余裕ができ、機器更新の申請がしやすくなるからです(図1参照)。
また、今まで御社のサービスセンターへ保守点検を依頼していましたが、作業完了までに時間を要するためダウンタイムの削減をしたかったという点もあります。
また、保守点検を依頼していた時は所有台数の25%しか定期点検ができていませんでした。
しかし、SCD700テクニカルトレーニング受講後は85%までアップしました。
病院監査のため定期点検実施の実績が必要という背景もあります。


Q:岩手医科大学附属病院では約150台のSCD700を中央管理されていますが、どのような管理方法なのかご教示ください。

A:昨年までフットポンプに関しては各部署に定数配置(ベッド数に応じて配置)していました。
そのため普段より多くフットポンプが必要になった部署に貸し出しができなかったり、足りないことがありました。
また対象の患者がいない場合は機器も動かないため不動在庫が生じていました。
しかし、中央管理を開始してからは「1患者にフットポンプ1台」に変更することで不動在庫をなくすことができ、無駄な貸し出しがなくなりました。
また、返却された機器をCEがきちんと管理することでダウンタイムを少なくできたことがよかったです。
ダウンタイムの削減に関しては御社のテクニカルトレーニングがかなり役に立っています。


Q:SCD700のように保有台数の多い機器を中央管理するメリットはなんでしょうか?

A:中央管理することで使用されていない機器(倉庫で眠っている機器など)を管理することができます。
つまり、無駄がなく、適正な数で機器を使用できることがメリットです。


Q::逆にSCD700を中央管理をしないことのデメリットはなんでしょうか?

A:中央管理できていないことで機器の台数が足りず、本来であればリスクが高くフットポンプが必要となる患者にもサージカルストッキングで対応することがありました。
しかし、中央管理にしてからは機器を適正な台数で運用しているので患者にフットポンプを使用できるようになり、適切な予防対策が行えるようになりました(図2参照)。


Q::弊社のテクニカルトレーニングは中央管理のお役に立てていますでしょうか?

A:テクニカルトレーニング受講後は機器に対する理解が深まり、保守点検だけではなく、アラーム発生後も自分達で対応しようという姿勢に変化がありました。
それにより院内でパーツ交換も実施しており、コスト削減やダウンタイム削減に繋がっていますので、テクニカルトレーニングは中央管理をする上で役に立っています!

まとめ

泉田技士⾧のお話いかがでしたでしょうか?
医療機器を中央管理することで、まず、機器の適正な台数を把握し、運用することが可能になります。
また、CEさんご自身での点検することによりコスト削減、ダウンタイム削減や機器の更新時期の目安がわかり、より安全に適正に機器をご使用いただけます。
そして、何よりも患者が適切な予防対策を受けることができます。
現在、中央管理をされているご施設や、今後、中央管理をご予定のご施設で弊社のテクニカルトレーニングを受講されていない機種はありませんか?
これを機会にぜひご受講よろしくお願いいたします!

医療機器とリチウムイオンバッテリー

医療機器とリチウムイオンバッテリー

医療機器だけではなくスマートフォン、電化製品、電気自動車など身近な製品にも多く使用されているリチウムイオンバッテリー。弊社の製品にもリチウムイオンバッテリーが搭載されています。その特徴や保管方法などを改めて知っていただき、今後の医療機器の管理のご参考にしていただければ幸いです。

リチウムイオンバッテリーとは?

一次電池、二次電池

充電可能なリチウムイオンバッテリーは「二次電池」にあたります。
二次電池は小型化、軽量化が可能であり、大容量の電気を蓄えられることが特徴です。二次電池の一種であるリチウムイオンバッテリーはさらに以下の大きな特徴があります。

リチウムイオンバッテリーの特徴

スマートフォンの充電を思い浮かべていただければ、なるほど!とご納得いただけると思います。

自己放電と保管の注意点

リチウムイオンバッテリーを保管・管理する上でまず、ご理解いただきたいキーワードを3つご紹介します。

自己放電

バッテリー内に蓄えられた電気の残量が時間の経過とともに少しずつ減少していく現象。
自己放電で残量が減少していくスピードはバッテリーの種類よって異なりますが、リチウムイオンバッテリーでは1か月で1~5%減少すると言われています。また、自己放電のスピードはリチウムイオンバッテリーを保管している環境に影響されます。

温度放電

過放電

リチウムイオンバッテリーを⾧期間放置してしまうと自己放電が進み、電池の容量がゼロになります。この状態からさらにエネルギーを取り出そうと放電することを「過放電」と言います。過放電の状態が⾧く続くと、電池の負極に用いられている銅箔を劣化させ、最終的には充電できない状態にまでなることがあります。

医療機器のリチウムイオンバッテリー

リチウムイオンバッテリーが搭載されている当社製品は以下の通りです。

バッテリー購入後、交換せずに⾧期保管されていると自己放電や過放電のため、バッテリーが使用不可になり新しいバッテリーを再度購入していただかなければならない可能性もあります。そのためバッテリーは必要な数を購入し、都度交換していただくようお願いいたします。

まとめ

リチウムイオンバッテリーの情報はいかがでしたでしょうか?
医療機器を使用する上で身近なリチウムイオンバッテリーですが、保管・管理方法によっては、いざ!というときに自己放電のため使用できなくなってしまっていたり、発火の原因になる危険もあります。このメルマガがリチウムイオンバッテリーの保管・管理方法を見直すきっかけになれば幸いです。
カーディナルヘルス製品でバッテリー交換可能な機種に関しましては、バッテリー交換方法もテクニカルトレーニングでお伝えしておりますので、ご興味のある方はぜひお申し込みください!
また、院内でご使用されている機械で未受講の機種がありましたらお申し込みお待ちしております!

当社製品で困った・・・そんな時は「製品情報サイト」

当社製品で困った・・・そんな時は「製品情報サイト」

当社の製品情報サイトには製品に関する動画、お役立ち資料、ケースレポート、製品FAQ、お知らせ、添付文書など、皆さまの普段の業務に役立つ情報を取り揃えております。
その中で今回は製品FAQのSCD700シリーズカンガルーConnectポンプThopaz+の技術情報に関して、皆さまからアクセスいただいたページの集計結果を紹介します。
製品FAQでは当社へのお問い合わせやテクニカルトレーニングでよくある質問にQ&A形式で回答しています。

閲覧数ランキング

当社の器械製品(SCD700、カンガルーConnectポンプ、Thopaz+)の全ページ数81に関して2024年7月におけるランキング(表示回数ベース)とタイトルは下記の表の通りです。

ランキングからは主に器械の機序、パーツ交換方法、エラー対応など医療機器を適切に使用および管理するために、必要な製品知識やノウハウの詰まったページの閲覧数が多い傾向です。

閲覧数トップ3のご紹介

1位:Thopaz+はどのようにしてエアリーク量を確認することができますか?

2位:SCD700の電源コードの交換方法を教えてください

※同じページで取り外し方と取り付け方の動画をご覧いただけます。

3位:Connectポンプでシステムエラー70が発生しました。何をチェックすればよいでしょうか?

関連ページもお見逃しなく!

以上、ランキングトップ3でした。皆さまもタイトルにあるような場面に遭遇したことはありましたか?

製品情報サイトには加えて下記のような関連ページのタイトルも同時に表示されますので、周辺知識も網羅できるようになっております。是非こちらも合わせてチェックして知識やノウハウを収集いただければ幸いです。

製品FAQ(技術情報、他)

SCD™ 700 シリーズをはじめとする器械製品について、一般のFAQに加えて臨床工学技士の方にお役立ていただける技術情報を掲載しております。院内で交換可能なパーツの種類、パーツ交換方法については動画をご用意しています。
また、エラー情報とその対処法についても掲載しておりますので、他部署から「ポンプが動かなくなった!」とご連絡が入った際にご確認ください。修理に出さなくても解消するエラーもございます。

テクニカルトレーニング

臨床工学技士の方を対象に、弊社製品の各機種についてテクニカルトレーニングを少人数制で開催しております。
積極的に機器のメンテナンスに取り組まれている、もしくは今後、院内での修理や定期点検をご検討されているご施設に有意義な講習内容となっております。

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