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Case report

PEN栄養ニューズ Vol.41抜粋
重症患者に対する早期経腸栄養
【前編】早期経腸栄養の意義と実践

消化器系

経腸栄養

胃ろう

経腸栄養ポンプ

経鼻栄養チューブ

その他

執筆

神戸大学大学院医学研究科外科系講座
災害・救急医学分野 教授 診療科長
小谷 穣治 先生

災害・救急医学分野 特命教授
先進救命救急医学
井上 茂亮 先生

重症患者に対する経腸栄養の意義と開始時期

ECUやICUでの急性期管理を必要とするような重症患者は、自力で十分な栄養を摂取することが困難な場合も多く、人工栄養で補助しなければ栄養障害を来す恐れがあります。人工栄養の方法は経静脈栄養と経腸栄養の2つに大別されますが、当センターでは経腸栄養の施行が可能な状態(次項参照)であれば経腸栄養を優先し、治療開始後24~48時間以内に投与を開始しています(図)。

重症外傷患者などでは、腸内細菌叢の変化や腸管粘膜の構造の破綻、腸管関連リンパ組織(gut-associatedlymphoid tissue: GALT)の免疫機能の低下によって、腸管内微生物が腸管壁を透過して全身に播種するbacterial translocation が起こりやすいと考えられています【Nieves E, Tobon LF, Rios DI, et al, J Trauma2011; 71: 1258-1261.】。そこで、治療の初期段階から栄養を経腸的に投与することによって、腸内細菌叢や腸管の構造・機能を維持しようというのが、早期経腸栄養の 背景にある基本的な考え方です【Artinian V, Krayem H,DiGiovine B, Chest 2006; 129: 960-7.】。  

実際、重症度の高い患者への早期経腸栄養に関しては、腸管機能の維持や感染性合併症の低減などについて有用性が報告されています。このため、例えば日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)では「敗血症患者において、早期(重症病態への治療開始後24~48時間以内)から経腸栄養を行うこと」が推奨されています。また、敗血症診療国際ガイドラインの2016年版(SSCG2016)においても、48時間以内の投与開始を早期経腸栄養と規定し、その施行が推奨されていました。

しかしながら、その後に発表されたSSCG 2021においては「経腸栄養が可能な敗血症または敗血症性ショックの成人患者に対しては、早期(72時間以内)に経腸栄養を開始することを提案する」と推奨内容が変更されています。ただし、開始のタイミングが48時間以内から72時間以内に変更された理由に関してSSCG 2021の中では説明がなされていません。また、72時間を「早期」と言えるのかという点などについても議論の余地があると考えます。

経腸栄養の開始/中断の判断

栄養チューブの留置位置の選択

経腸栄養の初期投与量

血糖管理

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