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カーディナルヘルス メールマガジン コラム

カーディナルヘルス メールマガジン コラム【第8回】
『拘縮が強い上腕に安全にPICCを留置する方法』
~挿入時の肢位を確保するコツ~

著者:独立行政法人 国立病院機構 呉医療センター
救急科 診療看護師
竹田 明希子 先生

はじめに

当院には、現在2名の診療看護師が在籍する。

2016年からPICC挿入を開始し、各診療科医師からの依頼を受けて、現在に至るまで約5500症例以上のPICC挿入を行った。

PICC挿入時の成功の秘訣の1つに肢位確保がある。

肢位を確保する目的は、エコープローブを直角にあて血管の評価をすることであるが、四肢拘縮が強い場合は、肢位の確保は容易ではない。

寝たきりの患者や拘縮が強い患者への栄養投与経路として胃瘻造設と同様にPICC挿入は、後方病院からの受け入れ条件として提案される場合もあり、四肢が拘縮した患者への肢位の確保について紹介する。

肢位確保について

・力こぶをつくるように肘関節を屈曲させ外転・外旋、上腕の内側が上を向いた状態を確保する。
・前腕の下に4-5枚のバスタオルをおくことで外転・外旋位を保持する。

【伸展位で穿刺を行う場合】
・上腕を外転させる場合に、患者の負担になるため上腕内側が上を向きにくい。

両上肢拘縮した患者へPICC挿入する場合の肢位の確保

症例1 68歳 男性 てんかん性精神障害、精神発達遅滞既往あり
    ADL:寝たきり、従命困難、四肢拘縮著明で褥瘡多発

症例2 87歳 女性 アルツハイマー型認知症で精神科病院入院
    ADL:寝たきり、禁忌肢ないが両上肢の拘縮強い(左>右)

紹介する2症例とも、写真に示すとおり四肢の拘縮が強く、刺激がなければ胸部の前で腕が固定されている状態であった。末梢ルートの確保が困難なことも多く、PICCの穿刺部位となる上腕で末梢ルートを確保された状態で、透視室へ出棟されてくる場合もある。
拘縮が強い場合、力を加えて無理やり肢位を確保すると患者の腕に力が入り、エコーでの血管描出すら困難なこともあるため、ゆっくり関節の可動域を確認し穿刺側を決定し肢位を確保する。

写真1
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7

拘縮した四肢へのPICC挿入は、バスタオルを用い位置調整を行い、拘縮した肢位が処置中に戻らないように皮膚側に手袋などで保護し、テープを用いて外転・外旋位で固定を行う。

また患者への負担を考慮し、極力時間をかけないように処置を進める必要がある。

テープ固定後でも穿刺が困難な場合

1) 下記(写真8)のように肢位を確保するが、清潔野展開後に実施者の姿勢が確保できない。
2) 穿刺後のガイドワイヤ操作などを展開できる場所(清潔野)に制限がある。
3) エコーで穿刺血管を描出すると静脈・動脈が垂直となり安全に穿刺できない(写真9)。

写真8
写真9

上記の場合はテープ固定での肢位確保をやめ、エコーを把持する左手を広げ、自分の腕で患者の腕を固定し肢位確保した上で穿刺を行う(写真10-12)。

写真10
写真11
写真12

成功の秘訣

① 穿刺側の肢位確保 

②血管選択 

③穿刺

~血管穿刺のポイント~

血管と皮膚表面が最短距離になるところで、エコープローブを皮膚面にあてる

センターマーカーが絶えず血管中心を通るようにエコープローブを把持

エコービームの面と血管の走行は90度

最後に

患者および患者家族にとって、私たちが挿入するPICCは、治療を継続するための選択肢の一つである。血管走行は個々に異なるため、一人ひとり丁寧に確認することが必要であるが、成功の秘訣となる①肢位の確保、②血管選択、③穿刺の手技は、日々の実践の中で培われるものである。
拘縮が強く肢位の確保が容易ではない患者であっても、可能な限りPICCが留置できるよう、日々工夫を重ねながら実践している。
また、肢位の確保が困難な場合には、PICC挿入後の観察や消毒などの管理面においても課題が生じることが多い。そのため、挿入を行う私たちが継続して介入することも、重要な役割であると考える。

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