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知っておくべきこと:医療用手袋の皮膚過敏症と加硫促進剤について
Q : 加硫促進剤とは 何でしょうか?
また、なぜ医療用手袋に使用されるのですか?
A : 加硫促進剤は、手術用および検査用手袋の製造に使用される伝統的なラテックスおよび合成ゴム製素材の製造工程内で使用される化学物質です。これらの化学物質は、製造工程における硬化プロセス中に原材料を安定させるためと、バリア機能と快適さを提供する、強力で弾性のある手術用手袋を形成するために使用します。
一般的に使用される加硫促進剤には下記の4 種類があります。
- チウラム
- ジチオカルバミン酸塩/ カルバミン酸塩
- メルカプトベンゾチアゾール(MBTs)
- ジフェニルグアニジン(DPG)
これらのゴム加硫促進剤のうち、チウラムはゴム接触アレルギーの最も一般的な原因物質です。
Q : 加硫促進剤はアレルギーや皮膚過敏症を引き起こしますか?
A : はい、可能性はあります。加硫促進剤は皮膚過敏症を引き起こす可能性がありますが、加硫促進剤に対する反応を示す人の割合は比較的低いといえます。
クリーブランド・クリニックが実施した研究では、パッチテストの結果、アレルギー性接触皮膚炎(ACD) の疑いがある人のうち、3.6 パーセント(626 人中23 人)の合成ゴム手袋ユーザーが加硫促進剤に反応することがわかりました。
Q : これらの加硫促進剤はどのような特定の皮膚過敏症を引き起こすのですか?
A : 加硫促進剤はACD を引き起こす可能性があります。この反応は通常、ゴム製品と接触する皮膚の範囲に限定されます。生命にかかわるものではありませんが、医療従事者にとって問題となる可能性があります。発疹、乾燥およびその他の症状は、急性または遅発性であり、刺激物への曝露後、48 時間以内に発現します。4,000 以上の化学物質がアレルギー反応を引き起こす可能性があることが知られているため、過敏症の原因ははっきりしていません。
Q : すべての皮膚過敏症は加硫促進剤に起因するものなのでしょうか?
A : いいえ。実際、ラテックスから合成ゴム手袋への移行によって手術用手袋へのアレルギー反応が劇的に減少しても、医療従事者は依然として手や手首にアレルギー反応を経験しているケースがあります。主に非免疫学的反応である刺激性接触皮膚炎によるものです。
これは、臨床診療に関連する製品(強力な抗菌石鹸、外科用スクラブブラシ)または作業環境外の製品(洗剤、香水等)によって引き起こされる可能性があります。また、季節的な天候の変化、頻繁な手洗い、装飾品が持つ特性により、非免疫性皮膚炎にかかりやすくなることがあります。
Q : 医療従事者が皮膚過敏症を経験している場合、何をすべきでしょうか?
A : あなたや周囲のスタッフが皮膚の炎症を経験している場合、直感的に対処するのではなく、その原因に正確に対応することが重要です。
まず、アレルギー反応以外の石鹸や損傷などが原因での皮膚炎の場合、市販の保湿剤やハンドクリーム、手袋のライナーなどが役立つでしょう。職場や自宅などで使用される手指衛生用品や香水などの一般製品は合成ゴム製手袋
よりも刺激性が高いです。
ACD が疑われる場合には、特定の薬剤のパッチテストに対する皮膚科医またはアレルギー専門医による診断が必要な場合があります。すべての加硫促進剤についてパッチテストが存在します。あなたの主治医や、所属する病院
の方針に従って対応を決める必要があります。
加硫促進剤によるアレルギー反応だと診断された場合は、非加硫促進剤の手袋に切り替える必要があります。ただし、「手袋のホッピング」(皮膚炎に対応して手袋を頻繁に切り替えること)は、着用者が別の手袋に順応するのに十分な時間の確保や、遅発性のアレルギー反応の確認が重要であるため、かえって逆効果です。ある特定の加硫促進剤に対する感受性が診断された方で、手術用手袋またはより保護的な検査用手袋を着用する必要がある場合は、手術用手袋または検査用手袋の下にグローブライナーを着用することを検討してください。
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